5月23日、台湾新北市において、台湾教育部と日本台湾交流協会の共催による「防災教育国際実務経験研討会」が開催され、京都大学防災研究所の中北英一教授、静岡県御殿場市の杉本嘉章危機管理補佐監とともに小田隆史准教授が招かれ、講演やパネルディスカッションなどに参加しました。
「落實防災 十分平安、韌性校園 萬里無憂」(防災の着実な実施、十分な平安と強靱な学校に、万事憂い無し)という標語のもと、台湾全土から学校の校長や各地域の防災教育リーダー教員、教育局の職員ら約300人が参加しました。午前中、本年3月に台湾から宮城県を訪れた各学校の防災教育担当者が、現地での学びをプレゼンし、台湾の学校に研修で得た内容をどう活かせるか共有しました。
午後からは、日本から招かれた各講演者が、「気候変動下における気象情報での利活用」、「静岡県における火山災害管理対策」、「東日本大震災から13年後、災害経験の伝播を通じた学校防災能力の向上」をテーマに講演を行いました。
その後、参加者同士のワークショップが行われ、アニメや絵本、電子書籍などの防災デジタル教材の導入の実践や課題などについて意見交換を行いました。参加者らは、今年発生した、能登半島地震や台湾花蓮地震の経験に触れ、共通する自然災害リスクを抱える日本と台湾の、防災教育分野での交流の意義を再確認しました。
当研究室では、本年3月にも小田准教授が台湾を訪れ、1999年に発生した921地震の被災地における伝承施設、博物館などの防災教育・啓発での活用や、国立成功大学の研究者との気象防災ワークショップ等に参加し、学術交流を深めています。
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