トルコ南東部地震 JST国際緊急調査に参団

2月6日に発生したカフラマンマラシュ地震による教育セクターにおける影響や復興支援について検討する国際緊急共同調査に小田准教授が参団しました。科学技術振興機構(JST)国際緊急共同研究・調査(J-RAPID=代表: 東北大学災害科学国際研究所 福島洋 准教授)の一環として行われたもので、2023年9月21日〜27日の期間中、まず、首都アンカラの中東工科大学を訪問し、同大学やJICA関係者と研究会を行い、調査手法や計画などを確認しました。

その後、ガジアンティプへ移動し、アジア防災センター(ADRC)兵庫県派遣調査団と合流の上、震源地に近く被害が大きかったカフラマンマラシュ、ヌルダーイ、イスラヒエの各地域の小中高校や知事室、教育省地方事務所を訪問して、地震発生後の学校再開や教育業務継続の諸課題について聞き取りを行いました。また、仮設住宅に隣接する、子どもの心のケア施設で活動の様子を視察しました。

多くの被災者は、「コンテナシティ」と呼ばれる仮設住宅に居住し、就学期の子どもは、スクールバスで、学校に通っています。校舎は間借りしたものが多く、小・中学校を午前・午後の二部制で運営しています。被災した教員の多くは他県に転出。学校再開、教員の再配置、学習時間の確保、子どもや保護者、教職員に対する心のケアが重要な課題となっています。

当研究室は、JICA事業を通じて2018年頃から、トルコ国内の防災教育の制度化に関わってきました。今次緊急調査で明らかになった、東日本大震災の教育復興と共通する諸課題について、過去の教訓を踏まえ、適切な復興支援のあり方や、学校防災の拡充について検討し、現地研究者との交流を通じて、得られた知見の交換を行っていきます。