トルコ・ガジアンティプ市にて学校防災ワークショップを開催

2023年2月に発生したカフラマンマラシュ地震の被災地トルコ南東部の都市ガジアンティプ市において、4月27日、国際緊急調査J-RAPIDプロジェクト(代表:福島洋東北大学災害科学国際研究所准教授)の成果を現地の教員や教育行政関係者と共有し、震災教訓や今後の防災教育について話し合うワークショップを開催しました。

小田准教授が冒頭、東日本大震災の学校被災と教育復興についてプレゼンを行った後、トルコ大地震被災地の学校教員に対して行ったアンケートの結果の共有。それをもとに、現行のカリキュラムから防災教育をどのように充実させれば良いかや、教職課程の大学生向けの防災教育プログラム等について、グループ討議しました。被害が著しかったハタイ県の教員も参加し、日本とトルコで発生した大地震の教訓から今後の防災教育の深化について具体的に知見を交換する機会となりました。

これに先立って、26日、トルコ教育省ガジアンティプ地方局を訪問し、大地震後の防災教育カリキュラムの導入や改訂、トルコの国家公務員に対する防災研修プログラムの近況、被災学校建物の調査状況等の聞き取りを行いました。

当研究室では、2019年からJICA防災教育調査団への参団、国別防災教育研修コースの企画実施や、トルコ教育行政官を招聘しての宮城教育大学主催国際シンポジウムの実施、トルコ語での書籍分担執筆、土日基金文化センターが実施する学校防災教育交流の参加などを通じて、学校防災をテーマにトルコとの交流を継続しています。今後も、今次調査等から得られた知見を踏まえ、両国の震災教訓を導引した防災教育プログラムの開発研究を続けていきます。

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<関連論文>

  • 小田隆史,諏訪清二,児玉美樹,エミン・オズダマル(2023)トルコ共和国における防災教育制度の構築と普及―JICA 本邦研修を契機とした交流の深化,防災教育学研究, 4(1):63-76.
  • 小田隆史, 梨本雄太郎, 林田由那, 村山良之, 蘆立泰典(2023) 教員養成課程における防災教育の導入―大学独自の資格認定制度創設へ向けた実践,安全教育学研究 22(2):23-35.
  • 齋藤玲, 邑本俊亮, 小田隆史(2023)東日本大震災被災三県沿岸地域小中学校における震災学習の違い:県間と学校種間の比較を通して,防災教育学研究, 3(2): 1-23.
  • Oda, Takashi (2016) Schools, Teachers, and Training in Risk Reduction After the 2011 Tohoku Disaster; in Shiwaku, K., Sakurai, A., and Rajib, S. (Eds.): Disaster Resilience of Education Systems, Experiences from Japan, Springer, 53-71.